新しい場所への引っ越しは、近隣住民への挨拶が必要な時があります。でも、いつ行けばいいのか、どこまで行けばいいのか、何を持っていけばいいのか、悩むこともあるでしょう。
たとえば、私は子供の頃によく引っ越しを経験しました。そのたびに、母と一緒に近所の方々に挨拶をして回ったものです。
特に女性の場合、安全を考慮して挨拶を省略することもありますが、ご近所との良好な関係を築くためには、家族や夫婦で住んでいるなら挨拶をするのが望ましいです。
引っ越し時には、旧居と新居での挨拶があります。この際、基本的なマナーは共通していますが、それぞれの状況に合わせた対応が必要です。
引っ越しの際の挨拶：旧居と新居での適切な時間帯
旧居での挨拶について
引っ越しの日が近づくと、トラックの駐車や荷物の移動で周囲に迷惑をかけることがあります。このため、引っ越し前には近隣の方々に早めに連絡をすることが大切です。トラブルを避けるためにも、挨拶は引っ越し前日までに済ませましょう。訪問する時間は、早朝や夜間を避け、生活リズムが不明な場合は10時から17時の間が無難です。
新居での挨拶について
新居への引っ越しでは、荷物の到着前に挨拶を済ませることが望ましいです。これは、引っ越しの騒動を事前に伝えるためです。新居の近隣住民の生活時間が未知なので、やはり朝早くや夜遅くは避け、10時から17時の間に訪問することをおすすめします。初めて会う人に夜に訪問されるのは、少し怖い印象を与えることもあります。
新居での挨拶はどこまで行う？
アパートやマンションに引っ越した場合、隣接する4世帯（上下左右のお宅）に挨拶をします。隣のお宅とは顔を合わせることが多く、上下の階とは音の問題が起こりやすいからです。
特に子供がいる家庭の場合、下の階に影響を及ぼすことがありますので、トラブルを避けるためにも事前に挨拶をすることが大切です。また、管理人がいる場合は、彼らにも挨拶を忘れずに。
一方、一軒家に引っ越した場合は、自宅の向かいにある3軒と、左右の隣の家に挨拶をします。さらに、家の裏側に面している家にも挨拶を加えるとよいでしょう。つまり、頻繁に顔を合わせる可能性がある周辺の各家庭に挨拶をすることが望ましいです。
引越し挨拶の贈り物：選び方と予算について
引っ越しの際の挨拶で贈る品物は、高価過ぎないものが好ましいです。一般的には、1軒あたり500円から1000円程度、管理人の方には1500円から2000円程度のものを選びましょう。よく選ばれるのは生活用品や食品（お菓子、飲料など）です。
生活用品の例としては、タオル、洗剤、ティッシュペーパー、ゴミ袋、ラップやアルミホイル、入浴剤、石鹸などがあります。選ぶ際のポイントは「どんな家庭でも使う消耗品」を選ぶことです。たとえば、トイレットペーパーやその地域特有のゴミ袋、ラップなどは実用的で喜ばれることが多いです。
私自身、転勤が多かった経験から、タオル、洗剤、石鹸などはよくいただいたものです。ただし、タオルはすぐには消耗しないため、多くなりがちですし、洗剤は肌が敏感な方には合わない場合もあるので注意が必要です。
引越し挨拶の贈り物：食品編（お菓子や飲み物）
引っ越しの挨拶に適した食品には、お菓子の詰め合わせ（クッキーやチョコレートなど）、コーヒー、紅茶、ジュース、日本茶、乾麺（そうめん、うどんなど）があります。食品を選ぶ際は、受け取った人がすぐに食べられるかどうか分からないので、賞味期限が短いものは選ばない方が良いでしょう。
特に麺類の中では、そばアレルギーを持つ方がいることを考慮して、うどんやそうめんの方が安全です。菓子類は一般的に喜ばれる定番の贈り物です。
オススメの引越し挨拶ギフト
引越しの挨拶に選ぶおすすめの品物をいくつか紹介します。
まず、ギフトカードや商品券は、消費期限がありますが、すぐに使えるため、贈り物に適しています。例えば、図書カードは500円から利用でき、本だけでなく文房具や漫画にも使えるので、幅広い方に喜ばれます。
クオカードはコンビニやファミリーレストランでの利用が可能で、実用的です。また、Amazonギフト券も通販を利用する方には喜ばれるでしょうが、新居の住人のライフスタイルが不明な場合は選ばない方が安全かもしれません。個人的にはこれが一番嬉しいですが。
さらに、以前住んでいた地域の特産品やお菓子も喜ばれることが多いです。
引越し挨拶品の「のし」と水引について
引っ越しの際に贈る品物には「のし」を付けると、より丁寧な印象になります。これは必須ではありませんが、一層の心遣いを示すために役立ちます。
一般的には、挨拶の目的を示すために商品の包装紙の上に掛ける「外のし」を使用します。水引（飾り紐）は紅白の蝶結びが適しています。
表書きの内容は状況に応じて異なります。旧居からの贈り物の場合は「御礼」や「粗品」と記載し、新居への挨拶の際は「御挨拶」と書きます。また、水引の下には自分の名字を記載すると、相手に名前を覚えてもらいやすくなります。
引越し挨拶時の不在対応：再訪問とメッセージカードの活用
引越しの挨拶で不在だった場合、何度か別の時間に再訪問するのが理想です。しかし、引越し挨拶には多くの時間をかけることが難しいのが現実です。
旧居ではある程度前もって挨拶を済ませることが可能ですが、しつこく何度も訪れるのは避けたいものです。不在の際は、訪問したことを伝えるメッセージカードや手紙を用意し、それを贈り物に添えておくと良いでしょう。ポストに入る場合はそこに、それが難しい場合は紙袋に入れてドアノブに掛けておく方法があります。
また、ドアノブに物を掛けることに抵抗がある場合は、手紙をポストに投函するだけでも十分です。
不在時の挨拶メッセージ：旧居と新居の例文
旧居からの挨拶メッセージ例文
「○号室に住んでいた○○（名前）と申します。この度、○月○日に引越しを予定しております。ご挨拶に伺いましたがお会いできず、この手紙で失礼いたします。引越し作業により、少し騒がしくなるかもしれませんが、ご理解いただければ幸いです。」
新居への挨拶メッセージ例文
「はじめまして、○号室に新しく引っ越してきた○○（名前）です。何度かお会いしようと伺いましたが、ご不在のようでしたので、手紙で挨拶させていただきます。○日の引越し作業でご迷惑をお掛けするかもしれませんが、予めご了承ください。挨拶の品を同封いたしますので、お使いいただければ幸いです。今後ともどうぞよろしくお願いします。」
子供がいる場合は、騒音への配慮も伝えておくと良いでしょう。できれば引越し作業の前日までに連絡を取ることが望ましいです。
引越し挨拶のポイントと贈り物の選び方
引越しの際の挨拶は、遅い時間を避けることが大切です。夕方までに挨拶ができるとベストです。
贈り物には、生活用品か食品のどちらかを選ぶのが一般的です。食品を選ぶ場合は賞味期限が長めのものを、生活用品では誰でも使えるようなものが好ましいです。例えば、ラップのような日常で必ず使い切る消耗品は、受け取った人にとってもありがたいものです。
贈り物が物足りなく感じる場合は、ラップに加えてちょっとしたお菓子を添えると、ちょうど良いバランスになります。
